1982年5月のこと。ふらりと、北を目指したのでした。
森敦の「月山」を読んだのがきっかけでした。
小説は全く理解できなかったけれども、何故か月山を見たくなったのでした。
大阪発、青森行き(当時)の急行「きたぐに」に乗りました。
列車が動き出したのは、夜10時を廻っていたと思います。
GWが終わり、東北新幹線の開業(大宮-盛岡 間)までには、
まだ一か月以上ある時期だったせいか、比較的に人の流れも緩慢で、
ゆったりとした旅でした。
簡単な地図を作ってみました。
分かりづらいですが、黄色の線が鉄道、青い線がバスで回ったルートです。
こうして、地図に、旅したルートを重ねてみると、
鶴岡(または酒田)を離れてからは、ずっと、内陸の旅を続けていたのですね。
今まで何度か、この旅行を振り返ってみようと思いつつ、そのままでした。
写真は驚くほど少なくて、40枚ほどしか撮っていません。
また、記録を取っているわけでもなかったので、記憶も随分と曖昧です。
それでも、段々と記憶の隙間が、少しは埋まっていくから驚きました。
今、こういう記録を残すことが、何になるだろうと思いながらも、
30年も前の記憶の旅を書き綴っています。
北の暮らしを知っているわけではありませんが、
少なくとも、春を迎え、緑に輝く頃の東北の美しさを見ることが出来た旅でした。
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