本棚に手付かずの本が埋もれていました。
(手に入れて満足し、まだ読んでいない書籍が結構あるのです。反省…)
件の本は、作品社の「日本の名随筆」第3巻の「猫」(選者:阿部 昭)。
発刊は1982年(あちゃぁ~、25年も前に買っていた本です(~_~;))
その名のとおり、猫にまつわる随筆を集めたものです。
どの随筆も1982年以前の著作なので、登場する猫たちのほとんどが
内、外の出入りが自由であり、ワクチンの話なども出てきません。
今どきの猫と取り巻く環境も違えば、人の関わり方も少々違うところもあります。ちょっと引いてしまうような一節があったりします。
が、いつの世も猫を愛でる姿は同じ、どの話も興味深く読みました。
中でも、印象に残ったのは、
評論家の坂西志保(故人)の「猫に仕えるの記」と、続いて収録されている
経済学者・農学者の東畑精一(故人)の「坂西さんと猫」です。
「猫に仕えるの記」の冒頭をちょっと引用します。
自他共に認める猫好きな人であったらしく、同盟宣言でもしたくなる書き出しです。
『正直なところ私は猫に飼われている。自分の十分の一にも足りない動物に顎でこき使われているなんて、一寸だらしがないと思われるかも知れませんが、これは猫界の慣わしであって、最初からそういってしまったほうが気が楽である。』
微笑ましいエピソードの余韻のまま次の「坂西さんと猫」を読み始めると、
いきなり、『坂西志保さんが急死された・・・・』の文。
面食らいながらも先を読もうと気が急きました。
坂西さんの人柄に触れながら、東畑さんの優しさもあふれる文章でした。
さて、東畑さんのお宅には、憲ちゃん、勘ちゃんという兄弟猫が養子に行ったのですが、その猫たちに坂西家の猫から手紙が届いていたらしく原文のまま書かれていました。
『東畑憲法さま 勘太郎さま ボクは坂西タロです。東京のネオンサインは綺麗ですか。・・・』
東畑家の憲ちゃん、勘ちゃんもちゃんと返事を出していて
『太郎ちゃん、おはがき有難う、みんな御元気の由、僕たちがいなくなって淋しいんだってね。・・・』
いい話だ・・・と少しセンチメンタルにもなったりして。
ちび平君、東京の源ちゃん、里羽ちゃん、熊本のトラちゃんに手紙書く?
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「日本の名随筆」は、その初回シリーズの10巻(花、鳥、猫、釣、陶、庭、色、死、町、山)を所蔵していますが、
今回、記事を書くにあたって調べたら、驚いたことに10年以上にわたり
本巻100巻、別巻100巻が刊行されていました。
♪なっちのママさん♪
実にいろいろなテーマで発行されていたので惹かれるのですが、
読んでいない蔵書のほうが先ですよねぇ。
「坂西さんと猫」によると、その頃、太郎という猫がいて、彼女が亡くなった日にいなくなり数日後に死んでいるのが見つかったとあります。
このことも友人たちにはショックだったと書いていました。
ともに旅立つなんて…複雑な気持ちになりました。
そんな気持ちをも溶かす子猫たちの姿です。
投稿情報: iharaja | 2007/02/18 22:59
あれ~、夕方に書き込みした筈が・・・
多分、「確認」を「投稿」と勘違いしたんだね。
この随筆は猫だけに限らず面白そうですね。
読んでみたいです。
坂西志保さんは猫ちゃんを置いて逝かれたのかな。
これだけは避けたいですね。悲しい^_^;
それにしても仔猫ちゃんは可愛いね。
何とも言えません。
投稿情報: なっちのママ | 2007/02/18 21:54
♪てるてるさん♪
私は本を読むのは勿論すきなのですが、本を買うこと自体が趣味のところがあって、読み終えていない本がまだあるのに、つい手を伸ばしてしまうようです。で、少々自重して、我が家の本棚を発掘中です(笑)
そうそう、猫の虜になった人は「猫」に関連したものに目が行きますね。
というより、猫アンテナが優れてくるのだわ、きっと♪
投稿情報: iharaja | 2007/02/18 21:32
♪マイキーさん♪
猫に仕える・・・猫と暮らす人は大なり小なり、同じような感覚を覚えるのではと思うのです。
半ば猫にこき使われていると自虐的に言いつつも、猫好きにとっては、それさえ、手前味噌的な気持ちかも。私はまさに!です(^^ゞ
4キッズたちの写真は宝物になりました。和みますよね。
私?私は気は若いですよ、気はね(笑)
投稿情報: iharaja | 2007/02/18 21:27
♪鯉三さん♪
この本の最後に阿部昭さんの「猫の不幸」が収録されています。「みやげの小石」(81年)からの出典だそうです。未来の猫の暮らしに触れていて、今の猫たちを見ると当たらずとも遠からずという気がします。
実は、阿部昭さんが亡くなられた翌年出版の「猫に名前をつけすぎると」がこれも読まないまま埋もれていることを今回発見。
今日から読み始めるところです(^^ゞ
空はね、実はこちらにいらっしゃる方の大半も初めは男の子と思ってたんですよ~。確かに雌らしからぬ顔つきなのだと思うのです。
投稿情報: iharaja | 2007/02/18 21:16
25年も前の本、よく出てきましたね。
そのころの私は猫が大の苦手だったから
目も触れなかったけど、
今は本屋に行けば猫のものばかり見てますね。
本屋に限らず…(^^)
投稿情報: てるてる | 2007/02/18 19:39