横山秀夫の「陰の季節」「動機」をきっかけに、ここ数年は警察小説を読むことが多くなりました。
その中でも、東京創元社が2003年から2ヶ月に1冊くらいの間隔で発行した黒川博行の警察小説は面白かった。
大阪府警捜査一課が中心のシリーズで、書店に並ぶのが楽しみでした。
単行本として刊行されたのは80年代から90年代はじめのようですが、
この頃は海外の推理小説を読むほうが多く、これらの作品については何も知らなかった、というより作家の名前すら知らなかった気がします。
リンク: 東京創元社|黒川博行警察小説コレクション.
このシリーズで何より魅力的なのが大阪府警捜査一課の刑事の面々。
黒田憲造、亀田淳也の黒豆コンビや、文田浩和、総田脩のブンと総長コンビをはじめ、東京からやってきた若いキャリヤと東西のギャップを感じつつというエピソードもあったりして、実に個性豊かな刑事たちが登場します。
大阪弁での軽妙なやり取りはとても面白く、読みながら「ぷっ」と吹きだすこともしばしばでした。
扱われる事件は、殺人事件や強盗事件など時に陰惨で凶悪なものばかりなんですけどね。
事件の行方と刑事たちの会話と《二度のお楽しみ》があるシリーズだと思っています。
「二度のお別れ」から始まった大阪府警捜査一課シリーズも「アニーの冷たい朝」で終わってしまったようで残念です。また、こういうシリーズがでるといいなぁと思いますが、それは読者の勝手な願いなのでしょう。
(写真は一昨年の3月に撮影した京都、清水寺。あいにく大阪の写真がないのです。
まあ、シリーズには京都府警も出てくるってことで・・・)
鯉三さん、このシリーズとは異なる同時期の作品「暗闇のセレナーデ」を
読んでいる最中に、ラー君の関西弁を聞いて触発され、紹介させていただきました(笑)
小説の中に関西人が二人集まり、会話を始めると、まるで漫才を聞いているような雰囲気があります。
投稿情報: iharaja | 2007/01/27 05:46
黒川博行の警察小説、読もう読もうと思いながらまだ読んでいません。「大阪弁の小説」を語る上で黒川さんの作品は欠かせませんしね。
投稿情報: 鯉三 | 2007/01/26 14:26