情報を求めてネットを彷徨っているとき、ふとしたきっかけで、
田野畑村(岩手県)と、作家の吉村 昭 氏(故人)の縁を知った。
村にある吉村文庫の蔵書は、この度の大津波で流出したと聞きます。
「三陸海岸 大津波」が彼の著作であることは、それまで知りませんでした。
1970年に発行された作品で、後に、改題し文庫化されました。
東日本大震災の後、売り上げの急増で、文春文庫が増刷したそうだ。
何年間かで発行された冊数を上回る冊数の増刷らしい。
この増刷分の印税を奥様の津村節子さんは義援金として寄付をした。
自ら歩き、大津波の体験者の証言を聞き、淡々と丁寧に記録している。
この作品の前書きにもあるように、氏は三陸海岸の美しさと、
そこで営まれる暮らしを敬愛していた。
彼の地を襲った大津波の記録に、心血を注がれたように見える。
その吉村昭さんは、2006年に亡くなっています。
もし、生きておられてたら、
今回の大震災を記録することを、やはり、選ばれただろうか。
(「たどり着いた先で知った本(2)」に続きます)
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