その本は、数か月に1冊の割合で出版されます。
もう、そろそろ出る頃かなと先日探したら、出てましたよ、7巻目!
「そんな気がしたんだよね~」と予感的中の嬉しさもあり(*^^)v
さて、その本とは、風野真知雄さんの短編集「大江戸定年組」です。
初めて目にしたのは1年ほど前。確か、シリーズの3作目だったと思います。
未知の作家の作品の場合、帯のキャッチやカバーの短い作品紹介、
表紙の絵などが決め手になることが多く、この時もそうでした。
それに、"定年"という言葉も気持ちのどこかに引っかかったのかも。
シリーズ物だし、第1巻「初秋の剣」から読み始めることにしたのでした。
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大江戸定年組シリーズ
(二見時代小説文庫)
初秋の剣
菩薩の船
起死の矢
下郎の月
金狐の首
善鬼の面
神奥の山
舞台は、江戸。
定町回り同心の藤村慎三郎、三千五百国の旗本の夏木権之助、
そして、小間物屋の七福仁左衛門、何の接点もなさそうな3人ですが、
実は、10代の頃に通った大川(墨田川)の水練の仲間だったのです。
しかし、生活の基盤そのものが異なるため、すっかり疎遠になっていたところ、
ある水練仲間の死をきっかけに久方ぶりに顔を合わせることになります。
幼馴染ともいえる間柄には、過ぎた日々の埋め草は必要ないようです。
それに、各々が息子に家督を譲り、何やら複雑な思いの共感もあって、
また昔のようにつるもうではないか…。
日常から少し離れたい気持もあって、3人だけの隠居所を探し、
いくつか事件を解決したこともあり、
自分たちでできる範囲の「よろず相談」を引き受けるようになります。
それぞれの持ち味を生かして隠居3人組が大活躍、人情にほろり。
それが「大江戸定年組」シリーズです。
難事件、珍事件を柱に、3人の人柄、それを取り巻く人々に魅力を感じ、
また、江戸ならではの世界にも引き込まれてグングンと読んでしまいます。
各巻とも、引き受けた「よろず相談」の短い話が、5話ずつ収録されています。
事件の合間に・・・・というよりは、
こまごました留守番や猫探しなどの依頼の合間に事件があると見るべきか(笑)
それぞれの話は短編で完結しますが、
大きな流れは時間とともに順を追うので、やはり1巻から読みたいところです。
文庫書き下ろしということもあってか、「え、そこで終わるの?」という塩梅で、
その先が気になって、次の本を、再び何か月か待つというシリーズとなりました。
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ところで、隠居所を「初秋亭」と名付けます。
ある商人が建てた仕舞屋を借り受けたわけですが、
建物自体が凝った造りで面白く、ロケーションもとても魅力に溢れています。
ああ、こういうアジトが私も欲しいと思うほどなのです。
しかも、この家屋には、猫ドアがあるのだ~
藤村慎三郎が、襖や壁にある穴を何の穴かと不思議に思っていた矢先、
野良猫が自由に出入りする光景を見て、
「猫の出入り口であったか」と合点する。まさに猫ドアなんですね~
今のところ、この猫穴や出入りする野良猫が話題になることはないので、
いつか、この穴が絡むエピソードでも書いてもらいたいものです。
もし、そうなったら小躍りしてしまうでしょう。リクエストしようかしらね(笑)
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3人という組み合わせに、なぜか安心感も覚えます。
私の場合がまさにそうなのです。
高校からの親友3人組しかり(↓左)、東京時代の親友3人組しかり(↓右)。
(左:H19年3月・九重町宝泉寺温泉にて) (右:H19年10月・那覇空港にて)
些細ではあるけれども、何か気持ちのすれ違うことがあっても、
その内の一人が何となく緩衝材の役目を担うことがあります。
その一人が自分のこともあれば、ほかの二人のいずれかの時もある。
めぐり合わせで、なんとなくそうなる。
勿論、人柄が好き、気が合うからと付き合いが続いているわけですが、
「3人」という組み合わせも、多少は長続きの由縁かなと思うのです。
で、その「3」という数字。
空、霄、ちび平達には、効力があるのか、ないのか…?
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いつものように長い文になってしまいましたが、もう少しお付き合いを m(__)m
全シリーズにまたがった、大変気がかりで、どうなるのだろうと思っていた事件が
7巻「神奥の山」では、ある意味、解決を見ます。
ここで終わっても(不満は残るだろうけれども)、不思議ではない気がします。
いやいや、主人公3人の各々の奥方が色々な悩みを経て共同で商売を創め、
7巻の終わりには、ついに工房を持つまでに。(しかも、隠居所の目と鼻の先)
まだまだ、これから紆余曲折を願い(笑)、 登場の話を夢見て
次を待つことにしましょう。
ちなみに夫たちの隠居所は「初秋亭」、対して、妻たちの工房は「早春工房」(笑)
鯉三さん
そうそう、江戸物は文章も簡潔で、それでいて粋な言葉がふんだんにあって、スーッと入ってくる気がします。
江戸の切り絵図の本を持っているのですが、今でいう住宅地図のようなもので、これで地名など見つけながら読むのも楽しいです。
私も、名前さえ知らなかった作者でしたが、たまたま新刊で見つけてファンになりました。この作者には、ほかにもシリーズが幾つかあるようですが、それはまだ手をつけていません。
そう言えば、私の仲良しも学生時代から、この本も幼馴染。
大人になってからの関係ではないんですよね。
投稿情報: iharaja | 2008/12/04 06:49
江戸物はなんだかすらすら読めるんだけど、深い余韻も楽しめるので好きです。山本周五郎や池波正太郎、宮部みゆきの江戸物もいいですね。この作者の作品は読んだことがありませんでしたが、興味を持ちました。
三人って不思議です。わたしは学生時代によく三人で動いていましたが、社会人になってからは三人になることがなくなりました。
投稿情報: 鯉三 | 2008/12/03 23:03
空ママさん
日頃読むのは、やはりミステリー中心になりますが、時々違うジャンルのものを読みたくなります。
と言っても、これも江戸物ながら、推理小説と時代小説が合わさった「捕物帖」的な要素があるので、やはりミステリーかしら(笑)
情緒があって、なんかいいですよね。このシリーズもクスッと笑って、ほろり と涙流してという読み物で私としてはお勧めです
中学は部活中心でともかく、小学校の時は5人と何故か奇数の付き合いが多いです。何ででしょう(笑)
ウ~ン、私も今年はインフルエンザの予防接種に行こうかな~。
投稿情報: iharaja | 2008/11/30 20:24
時代物ですか!ややっ、iharajaさんが・・!!
と、思ってしまいました
私も江戸時代の話が好きなんですよ。
読んでると、今の時代より良く思えてきます。
人情もあり、ほろりとしたりしますよね。
そうですか。面白そうな本ですねぇ。。
またまた読んでみたくなりました♪
iharajaさんは、いろんな本を楽しんでいますね
3人て、いいかもしれませんね。
自分のほかに2人いると、1対1とはまた違ってきますね。
今日は、インフルエンザの予防注射を受けたせいか、とても眠いです。
なので、またコメント↑させて貰いに来ますね♪
投稿情報: 空ママ | 2008/11/29 23:32
マイキーさん
ハイ、今日は江戸物でありんす。
ご自宅が江戸時代から建物で、しかも、江戸時代のものが残ってるって、
すごいことだと思いますよ~~。
だから、マイキーさん、「 」マークではなく、自慢して 「 」とか「 」をつけてもいいくらいですよ
あ、友人達に会ったのは昨年のことだったので、本文に書き加えました。
いつも、すみません。紛らわしい書き方になってしまって
それはそうと、洒落ていますよね。江戸時代に猫ドアだなんて。
昔から、こういう習慣があったのかしらと知りたくなります。
続きが読みたくなる終わり方って、うまいですよね。
もう、次の本がとても待ち遠しいですから(笑)
私も、問題は霄と空で、間に立つのは、ちび平しかいないと思いますが、
じゃれても空がテンパッちゃうんですよ~。
投稿情報: iharaja | 2008/11/23 18:29
iharajaさん、こんにちは♪
今回のお気に入りの、本は大江戸定年シリーズなんですね
あらすじを、読ませていただいて、面白そうだなって思いました、舞台は江戸時代なんですね、うちの家も、江戸時代の初期から建ってます
家には、幕末の陶器類もあります(値打ちはないですが)
昔から商売をしてたので、安政や享保時代といった、帳簿も残ってるんですよ
お話し読んでると、猫ドアに興味惹かれました、猫ちゃんも登場するんですね、友人3人と再会して、一緒にそれぞれの長所を生かして、何でも屋みたいな事をされて、事件を解決されるんですね、探偵ものにも思えますね
この先どうなるんだろうって、読者に思わせて、次を買っていただく、まるで、テレビ番組や、漫画の続くと同じですね
絶対、その先が気になって、色々想像して、次ぎ買っちゃうんですよね
お友達と会われたんですね
iharajaさん所の、3ニャンでは、ちび平ちゃんが、橋渡し役かな
投稿情報: マイキ- | 2008/11/21 21:26